介護ロボット普及の障害とは

介護業界では人材不足問題が懸念されており、介護の仕事を行うスタッフの人数が確保できないと十分なサービスを提供する事ができない。この人材不足の課題を解消する可能性の一つとされているのが、介護ロボットである。

人間に代わり一部の介護業務をロボットが代行することで、スタッフの人数が少ない施設でもサービス提供が継続できるようになる。ただしこの人材不足を解消する方法にも、課題は残されている。その課題というのは、介護用のロボットを施設へと導入する際には、購入のためのコストがかかるということ。ロボット開発に多大な研究費が必要となり、販売費用も高くなりがちになる。

たとえロボットにより介護スタッフの負担が軽減されるとしても、大きな出費で経営の負担になるようでは導入に慎重にならざるを得ない。もしレンタルなどでコストを抑えてロボットを導入することができれば話は別だろう。レンタルサービスは、購入時に必要なイニシャルコストが抑えられるメリットがあるため導入のハードルが下がる。

同時に介護業界でロボットが普及すれば、コスト的な問題を解決できる可能性も出てくる。介護用ロボットへの需要が介護業界で増えると、量産効果が発揮される。その結果、ロボット一体あたりの価格が低下し、購入しやすい価格帯に落ち着く事に期待ができる。このように、介護用ロボットの普及の妨げの要因となっている費用の課題がクリアになれば、急速に各地の介護施設で普及する可能性は高いだろう。

また、介護ロボットが一般家庭にも普及されれば、介護施設にお世話にならなくて済む可能性も出てくる。主婦として育児や仕事をこなしながらでも、介護ロボットがお年寄りの生活介助をすべて担ってくれるのであれば、今後両親の老後を心配する必要もなくなるはずだ。それにより、介護うつになる人も格段に減少していくだろう。これからの高齢化社会に向けて、介護士や主婦を助けるロボットの開発に期待が集まっている。